本日は「Gitのインストール」について解説したいと思います。今まで何度もGitをインストールする機会がありましたが、その度、GoogleやYouTubeなどで調べながら何となく理解したつもりで進めていました。今回はきちんと意味を理解しながらインストールする手順を解説したいと思います。なお、今回はWindows環境でGitのバージョンは2.47.0.2での説明となります。
【1画面目】Information
インストーラーをダブルクリックすると最初に現れるのがこの画面です。最初のこの画面はGitのライセンス情報(GNU General Public License)を表示しています。(説明不要と思いますが、一応、、、)
「GNU General Public License」は、Gitのようなオープンソースソフトウェアに適用されるライセンスで、ソフトウェアの利用や配布に関する自由を保証するものですね。
特に確認する必要がなければ「Next」ボタンをクリックして、次に進んで問題ありません。
【2画面目】Select Destination Location
この画面は、Gitのインストール先のフォルダを選択する画面です。デフォルトでは「C:\Program Files\Git」にインストールされるようになっています。
デフォルトのままで問題ない場合は、そのまま「Next」ボタンをクリックして進めてください。このパスは一般的な場所で、Gitのインストール先として推奨されます。
インストール先を変更したい場合は、「Browse…」ボタンをクリックして、新しいインストール先を選択できます。ただし、特に理由がなければデフォルトのパスで問題ありません。
通常は、デフォルトのインストール先で進めて問題ありませんので、「Next」で次のステップに進んでください。
【3画面目】Select Components
この画面は、Gitのインストール時に選択できるコンポーネント(機能やオプション)を設定する画面です。各項目を選択または解除することで、インストールする機能をカスタマイズできます。
以下は主要な項目の説明です。
Additional icons(追加アイコン)
On the Desktop:デスクトップにGitのアイコンを追加します。ショートカットが必要であればチェックします。
Windows Explorer integration(エクスプローラー統合)
Open Git Bash here:右クリックメニューに「Open Git Bash here」を追加し、特定のフォルダから直接Git Bashを開けるようにします。
Open Git GUI here:右クリックメニューに「Open Git GUI here」を追加し、Git GUIを開けるようにします。
Git LFS (Large File Support)
大容量ファイルのサポート機能です。Git LFSを使用する場合はチェックを入れます(通常は有効にしておくと便利です)。
Associate .git configuration files with the default text editor
.gitconfigなどの設定ファイルをデフォルトのテキストエディタで開けるようにします。これも通常はチェックしたままで問題ありません。
Associate .sh files to be run with Bash
.shファイル(シェルスクリプト)をBashで実行できるようにします。Windowsでシェルスクリプトを扱う場合は有効にしておくと便利です。
Check daily for Git for Windows updates
Git for Windowsの更新を自動的に確認します。定期的な更新が必要であれば有効にしておきますが、手動で更新する場合は無効でも構いません。
Add a Git Bash Profile to Windows Terminal
Windows TerminalにGit Bashのプロファイルを追加します。Windows Terminalを使っている場合はチェックを入れると便利です。
Scalar (Git add-on to manage large-scale repositories
大規模なリポジトリを効率的に管理するためのGitのアドオンです。通常のプロジェクトであれば、このオプションはオフにしておいても大丈夫です。
3画面目はたくさん確認する箇所がありますが、基本的にデフォルトで構いませんので「Next」で次のステップに進んでください。
【4画面目】Select Start Menu Folder
この画面は、Gitのインストール時にスタートメニューフォルダの場所を選択するオプションです。スタートメニューに「Git」フォルダを作成し、ショートカットをそこに配置する設定です。
デフォルトでは「Git」という名前のフォルダが作成され、その中にGitのショートカットが配置されます。
Don’t create a Start Menu folder
スタートメニューにフォルダやショートカットを作成したくない場合は、このオプションにチェックを入れます。ショートカットが不要であればこちらを選択しても問題ありません。
通常はデフォルトの設定のまま「Next」をクリックすることで、スタートメニューにGitのショートカットが作成され、簡単にアクセスできるようになります。
【5画面目】Choosing the default editor used by Git
この画面は、Gitで使用するデフォルトエディタを選択するオプションです。ここで指定されたエディタは、Gitの設定ファイルやコミットメッセージの編集などで使われます。
普段使っているエディタを選択すると良いでしょう。ロップダウンメニューをクリックすると、エディタを選択することができます。例えば、「Visual Studio Code」や「Vim」「Nano」「Notepad」などのエディタが利用可能です。
個人的におすすめはするのは「Visual Studio Code」ですね。ただ一つ注意点があります。エディタがインストールされていない場合、選択できない仕様になっているようです。予めインストールしておく必要があります。
【6画面目】Adjusting the name of the initial branch in new repositories
この画面は、新しくリポジトリを作成する際の初期ブランチ名(git initコマンド実行後に作成される最初のブランチの名前)を設定するオプションです。
Let Git decide
Gitにデフォルトのブランチ名を任せる設定です。現時点では通常「master」がデフォルトですが、将来的には「main」への変更が推奨されています。もし標準の「master」で問題ない場合や、自動的にGitの決定に従いたい場合はこちらを選択します。
Override the default branch name for new repositories
新しく作成するリポジトリの初期ブランチ名を手動で設定するオプションです。現在は多くのチームで「main」ブランチが推奨されており、デフォルトで「main」が入力されています。この設定を使えば、git initを実行するたびに初期ブランチが「main」となり、他のチームやGitHubなどでの標準と一致します。
現在は「main」を使用するのが一般的です。多くのプロジェクトやリモートリポジトリサービス(例:GitHub)では、「main」をデフォルトの初期ブランチ名として採用しています。
特に理由がなければ、「Override the default branch name for new repositories」を選択して、「main」を指定したまま「Next」をクリックすると良いと思います。
この設定は新しく作成するリポジトリにのみ適用され、既存のリポジトリには影響を与えません。
【7画面目】Adjusting your PATH environment
この画面は、Gitをインストールする際に、PATH環境変数の設定をどうするか選ぶオプションです。この設定により、コマンドラインでGitをどのように使うかが決まります。
Use Git from Git Bash only
Git BashからのみGitコマンドを使用する設定です。PATH環境変数が変更されないため、他のコマンドプロンプト(例えばCommand PromptやPowerShell)からはGitが使えません。安全な選択ですが、使い勝手が制限されます。
Git from the command line and also from 3rd-party software
GitコマンドをGit Bashだけでなく、コマンドプロンプトやPowerShell、その他のソフトウェアからも使用できるようにします。必要最低限のGitラッパーをPATHに追加するため、環境が乱れるリスクが少ないです。Gitを多くの環境で使用したい場合に推奨されます。
Use Git and optional Unix tools from the Command Prompt
Gitと共に、Unixのオプションツール(例:findやsortなど)もPATHに追加します。この設定にすると、コマンドプロンプトからもUnixコマンドが使用可能になりますが、Windowsの同名コマンドと競合する可能性があります。上級者向けで、UnixツールをCommand Promptから利用したい場合に選びますが、通常の使用には注意が必要です。
特にこだわりがなければ、「Git from the command line and also from 3rd-party software」(2番目の選択肢)を選んで「Next」をクリックするのが無難で推奨されます。この設定により、さまざまな環境でGitコマンドが使用可能になり、利便性が高くなります。
【8画面目】Choosing the SSH executable
この画面は、GitがSSH接続を行う際に使用するSSHクライアントを選択するオプションです。SSHは、リモートリポジトリに安全にアクセスするために使用されるプロトコルで、GitHubやGitLabなどのリポジトリへの認証に必要です。
Use bundled OpenSSH
Gitに付属しているOpenSSH(ssh.exe)を使用します。Gitのインストールに含まれているため、特別な設定が不要で、そのまま動作します。
Use external OpenSSH
外部のOpenSSH(すでにPCにインストールされているもの)を使用します。Gitには独自のOpenSSHをインストールせず、PATHに設定されている外部のSSHクライアントを使用します。例えば、すでにシステムに別のOpenSSH(例:Windowsの内蔵SSHや他のSSHツール)が設定されている場合で、それを利用したい場合に選びます。
通常は「Use bundled OpenSSH」(Git付属のOpenSSHを使用する)を選択するのが簡単で、設定もスムーズです。このまま「Next」をクリックして進めると良いでしょう。
【9画面目】Choosing HTTPS transport backend
この画面は、GitがHTTPS接続を行う際に使用するSSL/TLSライブラリを選択するオプションです。これは、GitHubやGitLabなどのリモートリポジトリにHTTPSで安全に接続するための設定です。
Use the OpenSSL library
OpenSSLライブラリを使用してHTTPS接続を行います。このオプションでは、Gitに付属するca-bundle.crtファイルを使って証明書の検証が行われます。
Use the native Windows Secure Channel library
Windowsのネイティブな「Secure Channel」ライブラリを使用してHTTPS接続を行います。このオプションでは、Windowsの証明書ストアに基づいて証明書の検証が行われます。
企業や組織内のネットワークで独自の証明書を使用している場合や、Active Directory経由で証明書が配布されている環境では、このオプションが適しています。
個人での使用や一般的な環境であれば、「Use the OpenSSL library」を選択して「Next」をクリックするのが無難です。企業内での使用や、特にWindowsの証明書ストアを利用する必要がある場合のみ「Use the native Windows Secure Channel library」を選択すると良いでしょう。
【10画面目】Configuring the line ending conversions
この画面は、Gitがテキストファイルの改行コードの変換をどのように扱うかを設定するオプションです。異なるOS(WindowsとUnix/Linux系)で改行コードの形式が異なるため、クロスプラットフォームでの互換性を保つための設定です。
Checkout Windows-style, commit Unix-style line endings
「Windowsスタイルでチェックアウトし、Unixスタイルでコミット」という形になります。Windows推奨の設定です。チェックアウト(ファイルを取得)時に改行コードを「CRLF(Windowsスタイル)」に変換し、コミット時には「LF(Unixスタイル)」に戻します。
異なるOS間で作業する際、改行コードの問題を自動で解消してくれるため、Windows環境で作業している場合に最も適しています。
Checkout as-is, commit Unix-style line endings
「そのままチェックアウトし、Unixスタイルでコミット」という形になります。Unix系(LinuxやMac)で推奨される設定です。チェックアウト時に改行コードを変換せず、そのまま取得しますが、コミット時には「LF(Unixスタイル)」に変換します。Windows環境で作業する場合には推奨されませんが、Unix環境では便利です。
Checkout as-is, commit as-is
「そのままチェックアウトし、そのままコミット」する形です。改行コードの変換を一切行いません。クロスプラットフォームのプロジェクトには推奨されません。異なるOS間で作業する場合に、改行コードの不整合が発生する可能性があります。
特に理由がなければ、「Checkout Windows-style, commit Unix-style line endings」(最初のオプション)を選択するのが無難です。これにより、WindowsとUnix/Linux間での改行コードの違いが自動的に処理され、クロスプラットフォームでの互換性が保たれます。この設定のまま「Next」をクリックして進めてください。
【11画面目】Configuring the terminal emulator to use with Git Bash
この画面は、Git Bashで使用するターミナルエミュレータを選択するオプションです。ターミナルエミュレータは、コマンドラインを実行するためのウィンドウのことです。ここでは、Git Bashがどのターミナルを使うかを設定できます。
Use MinTTY (the default terminal of MSYS2)
MinTTYは、MSYS2が提供するデフォルトのターミナルで、Git Bashでもよく使用されます。再サイズ可能なウィンドウ、非矩形選択、Unicodeフォントのサポートなど、便利な機能が豊富です。
Use Windows’ default console window
Windowsのデフォルトコンソール(cmd.exe)を使用します。これは、Windowsに標準で付属しているコマンドプロンプトです。簡素なコンソールで、MinTTYに比べて機能が制限されていますが、Windowsネイティブのコマンドラインプログラムと互換性があります。
通常は「Use MinTTY (the default terminal of MSYS2)」を選択するのが推奨されます。MinTTYは視認性が高く、機能が豊富で、Unicodeフォントの表示やウィンドウの再サイズがしやすいため、使い勝手が良いです。このまま「Next」をクリックして進めると良いでしょう。
【12画面目】Choose the default behavior of ‘git pull’
この画面は、Gitでgit pullコマンドを実行したときのデフォルトの動作を選択するオプションです。git pullは、リモートの最新の変更をローカルに取り込むコマンドで、変更の統合方法を選ぶことができます。
Fast-forward or merge(高速マージまたはマージ)
可能な場合は、現在のブランチをリモートのブランチに「fast-forward(早送り)」で更新します。fast-forwardができない場合はマージコミットを作成します。推奨設定で、特にこだわりがなければこれを選ぶのが一般的です。これにより、履歴が分岐しない限り、きれいな履歴が保たれます。
Rebase
リモートの変更を現在のブランチに「リベース」します。これにより、ローカルのコミット履歴がリモートの履歴に沿って並べ直されます。リベースは履歴が直線的になり、見やすい履歴を保つのに便利ですが、履歴を変更するため、使い方に注意が必要です。
Only ever fast-forward(常に高速マージのみ)
fast-forwardが可能な場合のみ更新します。fast-forwardができない場合は失敗し、マージが行われません。履歴を厳密に保ちたい場合に有用ですが、マージができない場合は失敗するので、慎重に使う必要があります。
特に理由がなければ、「Fast-forward or merge」(最初のオプション)を選択するのが一般的です。これにより、fast-forwardが可能な場合は自動で適用され、必要に応じてマージも行われます。このまま「Next」をクリックして進めると良いでしょう。
【13画面目】Choose a credential helper
この画面は、Gitがリモートリポジトリ(例:GitHubやGitLab)へのアクセスに使用する認証情報ヘルパー(Credential Helper)を選択するオプションです。認証情報ヘルパーは、ユーザー名やパスワード、アクセストークンなどの認証情報を保存して、毎回入力する手間を省く機能です。
Git Credential Manager
クロスプラットフォーム対応の「Git Credential Manager」を使用します。このツールは認証情報を安全に管理し、一度入力すれば自動的に保存して再利用してくれるので、利便性が高いです。これにより、毎回リモートにアクセスするたびに認証情報を入力する必要がなくなります。
None
認証情報ヘルパーを使用せず、毎回リモートにアクセスするたびにユーザー名やパスワードを入力する必要があります。セキュリティ上の理由で毎回認証したい場合にのみ選択します。
通常は「Git Credential Manager」を選択して「Next」をクリックするのが良いでしょう。これにより、リモートリポジトリへのアクセスが簡単になり、安全に認証情報が管理されます。
【14画面目】Configuring extra options
この画面は、Gitのインストール時に追加オプションを設定する画面です。ここでは、「ファイルシステムキャッシュ」と「シンボリックリンク」の有効化に関する設定を選択できます。
Enable file system caching(ファイルシステムキャッシュを有効化)
ファイルシステムのデータを一括で読み込み、メモリにキャッシュすることで、Gitの特定の操作(core.fscacheがtrueに設定されている場合)を高速化します。このオプションを有効にしておくと、ファイルアクセスが高速になり、全体的なパフォーマンスが向上することが期待されます。
Enable symbolic links(シンボリックリンクを有効化)
シンボリックリンクのサポートを有効にします。シンボリックリンクは、あるファイルやフォルダへの参照(ショートカットのようなもの)として機能します。Windowsでシンボリックリンクを使用するには、「SeCreateSymbolicLink」権限が必要です。特にシンボリックリンクを利用する必要がなければ、このオプションは無効のままで問題ありません。既存のリポジトリには影響しません。
通常は「Enable file system caching」にチェックを入れたままにし、「Enable symbolic links」は必要に応じて設定する形が良いです。この設定で「Next」をクリックして進めてください。
【15画面目】Configuring experimental options
この画面は、Gitのインストール中に実験的なオプション(Experimental Options)を有効にするかどうかを尋ねる画面です。このオプションは、Gitの新しい機能や開発中の機能を試す機会を提供しますが、安定性が保証されていない場合があります。
このバージョンのインストーラーでは、特に選択するオプションが表示されていないため、有効にできる実験的なオプションが含まれていないようです。この場合は、特に何も設定する必要はなく、そのまま「Install」ボタンをクリックしてインストールを続行してください。
【16画面目】Completing the Git Setpu Wizard
お疲れ様でした!この画面は、Windows向けGitセットアップウィザードの最終画面です。つまり「Gitのインストールが完了した状態」を示しています。この状態で 「Finish」ボタン をクリックすれば、Gitのインストールが完全に終了し、Gitが使用可能な状態になります。
以下はオプションです。
Launch Git Bash(Git Bashを起動する)
チェックを入れると、セットアップ後にGit Bashがすぐに起動します。
View Release Notes(リリースノートを表示する)
チェックが入っており、リリースノートが表示される設定になっています。
まとめ
本日は長々とお付き合いいただいてありがとうございました!ただこの記事を見ていただければ、迷わずGitをインストールして使用できると思います。
それではまた!仙台・宮城でのホームページ制作やサイトリニューアルならアンドシークまで!もちろん宮城県外の方も大歓迎です!